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遺留分侵害請求をされたときの対処法 ― どこまで争い、どこで整理するか|札幌の弁護士が解説

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遺留分侵害請求を受けると、

  • 「すぐに支払わなければならないのか」
  • 「どこまで争うべきなのか」

と戸惑う方が少なくありません。

もっとも、遺留分侵害請求では、個別の主張に反応するだけでは十分ではありません。

  • 請求が法的に成立するのか
  • 金額は適正なのか
  • どのように整理・収束させるべきなのか

を順序立てて検討する必要があります。

重要なのは、感情的に対応するのではなく、
相続全体への影響を見通したうえで、どこまで対応し、どこで収束させるのかを判断することです。

本ページでは、遺留分侵害請求を受けた場合の基礎知識と、実務上の対応方法を整理します。

遺留分侵害請求をされたときの対処法― 争うべき点と、収束させるべき点を見極める ―


① 遺留分侵害請求の基礎知識

1. 遺留分とは

遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された最低限の取り分です。

被相続人は遺言によって財産を自由に処分できますが、
配偶者や子などには一定割合の権利が認められています。

一般的には、

  • 配偶者・子:法定相続分の2分の1
  • 直系尊属のみ:法定相続分の3分の1

が遺留分となります。


2. 遺留分侵害請求とは

遺言や生前贈与によって遺留分が侵害された場合に、
その不足分を金銭で請求する制度です。

現在の制度では、原則として金銭での調整となるため、
不動産や株式そのものを直ちに返還する必要があるわけではありません。


② 遺留分請求を受ける類型

1. 遺言書に偏りがある場合

特定の相続人に財産を集中させる内容の遺言がある場合、
他の相続人から遺留分侵害請求がなされることがあります。

とくに、事業承継を目的として後継者に財産を集約した場合に問題となることが多い類型です。


2. 相続財産に不動産が入っている場合

不動産は評価額が高くなりやすく、
遺留分侵害額も高額になる傾向があります。

また、

  • 換価が難しい
  • 共有状態になる
  • 収益物件である

といった事情がある場合には、支払方法の設計が重要になります。


3. 相続財産に株式がある場合

株式、とくに非上場株式が含まれる場合には、

  • 評価額が大きく変動する
  • 事業承継との関係が生じる
  • 少数株主の問題が生じる

といった点が問題となります。

このような場合には、単なる金銭調整にとどまらず、
事業の継続や支配構造への影響も含めた検討が必要になります。


これらの類型に該当する場合でも、直ちに請求どおりに対応する必要があるとは限りません。

遺留分侵害請求では、

  • 請求が法的に成立するか
  • 金額が適正か
  • 対応の選択肢は何か

を順序立てて整理することが重要です。


③ 遺留分侵害請求を受けた際の対処法

1. 遺留分があるかの確認

まず、請求が法的に成立するかを確認します。

(ア)遺留分権利者であるか

請求者が遺留分を有する相続人であるかを確認します。
兄弟姉妹には遺留分は認められていません。


(イ)請求先が正しいか

請求の相手方が適切であるかを確認します。
贈与や遺贈の経緯によって、負担関係が異なる場合があります。


(ウ)期間内であるか

遺留分侵害請求には期間制限があります。

原則として、

  • 相続開始および侵害を知った時から1年
  • 相続開始から10年

を経過すると請求できなくなります。


2. 請求された遺留分侵害額が適正か

請求額がそのまま正しいとは限りません。

財産評価、特別受益、負担割合などによって、
金額は大きく変動します。


(ア)支払資金が不足する場合

不動産や株式が中心で現金が不足している場合には、

  • 分割払いの協議
  • 不動産の処分や活用
  • 金融機関との調整
  • 株式評価の見直し

など、複数の対応を検討する必要があります。

重要なのは、拙速に資産を処分するのではなく、
全体構造を踏まえて対応を設計することです。


(イ)不合理な争いは避け、適正額には誠実に対応する

過度に争いを拡大させると、

  • 解決までの長期化
  • 費用の増加
  • 家族関係の悪化

につながる可能性があります。

一方で、不合理に高額な請求には適切に対応する必要があります。

遺留分侵害請求では、

  • 争うべき点
  • 調整すべき点
  • 収束させるべき点

を明確に区別することが重要です。

当事務所では、単に請求に対応するのではなく、
紛争全体を見通したうえで、依頼者にとって最終的に合理的な選択を判断します。


④ 遺留分侵害請求が発生した事例

事業承継を目的として、特定の相続人に財産を集中させた遺言が作成されていた事案で、
他の相続人から遺留分侵害請求がなされました。

株式評価や財産の範囲について争いがありましたが、
専門家と連携して適正な評価を行い、
事業継続に支障が出ない形で金銭調整を行い、解決に至りました。


⑤ 遺留分侵害請求を取り消すことができた事例

請求者が遺留分権利者に該当しない場合や、
期間制限を経過していた場合には、請求が認められないことがあります。

形式的な請求であっても、法的要件を精査することで、
請求自体を退けることができるケースもあります。


⑥ 遺留分侵害請求をされた際に弁護士に相談するメリット

1. 適切な遺留分額の算定と交渉の代行

財産評価や負担割合を精査し、適正額を算定します。
交渉も代理人として対応します。


2. 法的観点からのアドバイス

単なる金額の問題としてではなく、

  • 手続の選択
  • 交渉の進め方
  • 将来への影響

を踏まえて助言を行います。


3. 複雑な手続の代行

内容証明、調停、訴訟などの手続を一括して対応します。


4. 精神的な負担の軽減

相続は感情的な対立が生じやすい問題です。
弁護士が窓口となることで、冷静な対応が可能になります。


⑦ 遺留分侵害請求をされた際は弁護士にご相談を

遺留分侵害請求は、単なる金銭請求ではなく、
財産・家族関係・将来への影響が重なる問題です。

特に、

  • 不動産
  • 非上場株式
  • 事業承継

が関係する場合には、慎重な判断が必要となります。

当事務所では、個別の手続にとどまらず、
相続全体の構造を見通したうえで、依頼者にとって最適な対応を設計します。

状況によって、取るべき対応は大きく異なります。
早い段階で全体を整理することで、紛争の拡大を防げる場合もあります。
状況整理が必要な場合は、ご相談ください。


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