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遺産分割中の収益物件の家賃は誰のもの?維持費・除排雪費の清算方法|札幌の弁護士

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賃貸マンション、アパート、テナントビルなどの収益物件が相続財産に含まれていると、遺産分割が終わるまでの間にも、毎月家賃が入り、同時に管理費や修繕費などの支出が発生します。

そこで、

「物件を管理している兄が家賃を全部受け取っている」
「遺産分割が終わっていないのに、家賃を分けてもらえない」
「除雪費や修繕費だけ負担を求められた」
「管理会社が特定の相続人としか話をしない」

といった問題が起こります。

北海道ではさらに、冬季の除排雪費、ロードヒーティング、設備故障など、物件を維持するだけでも相当額の費用が発生することがあります。

重要なのは、家賃収入だけを取り出して考えないことです。

誰が収入を受け取り、誰が管理し、どの費用が物件維持のために必要だったのか。そして最終的に、その不動産を誰が取得し、あるいは売却するのか。

収入・支出・管理・遺産分割を一つの流れとして整理する必要があります。

本ページでは、遺産分割が終わるまでに発生する収益物件の家賃収入と維持費について、実務上どのように整理・清算していくべきかを解説します。

遺産分割中の収益物件、その家賃と維持費をどう整理するか

― 「誰が物件を取得するか」が決まる前にも、お金は動き続けます ―

遺産分割でもめている間の収益物件の家賃収入の分け方と維持費の清算方法

収益物件が相続財産に含まれている場合、遺産分割協議が長引いても、建物の運営が止まるわけではありません。

毎月、

  • 家賃が入る
  • 管理会社への管理料が発生する
  • 固定資産税等の負担がある
  • 修繕が必要になる
  • 冬季には除排雪費等がかかる

という状態が続きます。

そのため、遺産分割そのものとは別に、**「分割が終わるまで誰が管理し、収入と支出をどう扱うのか」**という問題を早い段階で整理しておくことが重要です。

収益物件の遺産分割でよくあるトラブル

現在不動産を管理している特定の親族による家賃収入の独占

よくあるのが、被相続人の生前から物件管理を手伝っていた相続人が、死亡後もそのまま管理を続けているケースです。

その相続人が、

「自分が全部管理している」
「いずれ自分がこの建物を相続する予定だ」
「管理の手間を負担している」

などとして、家賃を自分の口座で受け取り続けることがあります。

しかし、物件を管理していることと、家賃収入全部を取得できることは別問題です。

相続開始後に共同相続された賃貸不動産から生じる賃料債権については、原則として各共同相続人にその相続分に応じて帰属すると考えられています。

したがって、一人の相続人が家賃を受領している場合でも、収入の内容や必要経費を明らかにしたうえで、他の相続人との清算が問題になります。

北海道特有の「冬の莫大な除排雪費用」や修繕費の押し付け合い

北海道の収益物件では、冬季管理費が軽視できません。

たとえば、

  • 駐車場や敷地の除雪
  • 排雪
  • 屋根の雪下ろし
  • ロードヒーティング
  • 凍結による給排水設備の修繕
  • 暖房設備の維持

などです。

大規模な物件になれば、一冬の費用が相当額になる場合があります。

そこで、

「家賃は管理している相続人が取っているのに、除排雪費だけ全員で負担しろと言われた」

反対に、

「家賃は全員で分けろと言われるのに、管理費用は自分一人が払っている」

という対立が起こります。

ここでも、収入と支出を別々に感情論で争うのではなく、物件維持に必要だった費用を資料で確認し、収益との対応関係を整理することが重要です。

管理会社を巻き込んだ不動産の主導権争いと賃料清算の拒否

収益物件では、管理会社が存在することも多くあります。

被相続人の死亡後、

  • 誰を窓口にするのか
  • 家賃をどの口座へ送金するのか
  • 修繕を誰が承認するのか
  • 新規賃貸借契約を誰が判断するのか

が曖昧なままだと、管理会社も対応に困ります。

その結果、特定の相続人だけが管理会社との連絡を握り、他の相続人が収支情報を把握できなくなることがあります。

この状態を長期間放置すると、単なる家賃清算問題が、不動産そのものの管理主導権をめぐる対立へ変わっていきます。

そのため、管理会社も含め、

  • 管理窓口
  • 入金口座
  • 支出承認
  • 収支報告

を早い段階で整理しておくことが望まれます。

遺産分割でもめている間に発生する「ビルの家賃収入」は誰のものか

ここは、不動産本体と家賃収入を分けて考える必要があります。

相続開始時に存在した不動産は遺産分割の対象になります。

一方、相続開始後にその不動産から発生した家賃収入は、不動産本体とは別個の財産として扱われ、原則として各共同相続人に相続分に応じて帰属します。

したがって、後日、遺産分割によって一人の相続人がその建物を取得したとしても、それ以前に既に発生した賃料まで当然にすべてその人のものになるわけではありません。

たとえば、

父の死亡後2年間、長男が賃貸ビルを管理し、家賃を受け取り続け、その後の遺産分割で長男がビルを取得した、

という場合でも、

死亡から遺産分割までに発生した家賃をどう清算するかは、建物そのものの取得とは別に検討する必要があります。

もっとも、相続人全員が合意して、家賃収入も含めて一括して調整することは考えられます。

重要なのは、「最後に不動産を取得した人=それまでの家賃も全部取得する」と思い込まないことです。

毎月の家賃の清算期限と、冬の除排雪費などの維持費の相殺ルール

家賃収入について、法律上「毎月○日までに他の相続人へ清算しなければならない」という一律の期限が定められているわけではありません。

しかし、何年も家賃を一人の口座に貯めたままにすると、後から収支を復元することが難しくなります。

実務上は、

家賃収入
- 管理費
- 必要な修繕費
- 除排雪費等の維持費
- その他合理的な物件経費

という形で、収支を一定期間ごとに整理しておくのが望ましいでしょう。

ただし、「払った費用なら何でも家賃から引いてよい」というわけではありません。

たとえば、

  • 本当に物件維持に必要だったのか
  • 金額は合理的か
  • 一人の相続人だけの利益のための支出ではないか
  • 大規模修繕について他の相続人への説明が必要ではなかったか

などを確認する必要があります。

また、「相殺」という言葉についても、法律上の相殺が当然に成立するという意味ではなく、収益と必要経費を一体として清算するという実務的な整理として考えた方が安全です。

収益物件の家賃・維持費を清算する際の実務上のポイント

最初に行うべきなのは、主張ではなく収支の見える化です。

少なくとも、

  • 月別家賃収入
  • 空室状況
  • 管理会社手数料
  • 修繕費
  • 除排雪費
  • 保険料
  • 税金等
  • その他の支出
  • 入出金口座

を一覧化します。

管理会社がいる場合には、月次報告書、送金明細、修繕履歴なども確認します。

次に、

誰がいくら受け取ったのか

と、

誰がいくら立て替えたのか

を分けます。

ここを曖昧にすると、

「家賃を独占した」
「自分だけ維持費を負担した」

という双方の主張がぶつかるだけになります。

さらに重要なのは、家賃清算だけで問題を終わらせないことです。

収益物件で争いが続いているのであれば、

  • 誰が最終的に取得するのか
  • 一人が取得して代償金を払うのか
  • 売却するのか
  • 共有を続けるのか
  • 管理体制をどうするのか

を考える必要があります。

特に複数の収益物件がある場合には、一棟ごとに争うのではなく、相続財産全体の中で不動産をどう配置するかを見ることが重要です。

家賃の分配や除排雪費の清算は自力で可能?弁護士が必要となる基準

相続人間の関係が良好で、

  • 家賃額が明確
  • 管理会社から詳細な収支資料が出ている
  • 維持費について争いがない
  • 最終的な不動産取得者についても大きな対立がない

のであれば、当事者間で清算できる場合もあります。

一方、

  • 一人の相続人が家賃を開示しない
  • 管理会社が一人の相続人としか連絡を取らない
  • 多額の修繕費について争いがある
  • 除排雪費等を誰が負担するかでもめている
  • 複数の収益不動産がある
  • 不動産評価でも対立している
  • 売却か保有かで意見が対立している
  • 遺産総額が大きい

といった場合には、家賃の問題だけを切り離して解決することが難しくなります。

この段階では、「家賃を何円取り戻すか」ではなく、収益物件を含む資産全体を今後どう整理するのかという判断が必要になります。

収益物件の遺産分割を弁護士に相談するメリット

第一に、家賃収入と遺産分割を法的に切り分けて整理できます。

第二に、家賃収入・維持費・立替金などについて資料を整理し、清算の対象と金額を明確にできます。

第三に、管理会社や他の相続人との交渉を代理することができます。

そして、収益物件を複数保有する相続では、さらに、

  • 各不動産の評価
  • 収益性
  • 共有関係
  • 売却可能性
  • 相続税との関係
  • 他の金融資産との組合せ

なども見る必要があります。

収益物件は、「いくらの不動産か」だけでなく、これからどれだけ収益を生み、どれだけ維持費を要し、誰が管理できるのかという時間軸を持つ資産です。

したがって当事務所では、家賃清算だけでなく、不動産を誰が持ち、どう管理し、いつまで保有するのかまで含めて相続全体を整理することを重視します。

収益物件の遺産分割でお悩みの方へ

遺産分割が終わっていなくても、収益物件からは毎月家賃が入り、毎月費用が出ていきます。

そのため、協議を止めている間にも、問題は少しずつ積み上がっていきます。

特に北海道では、冬季の除排雪費や設備管理など、「何もしないこと自体が費用を生む」不動産も少なくありません。

当事務所では、

家賃を誰が受け取ったか、という一点だけではなく、

収益
維持費
管理体制
不動産評価
遺産分割
その後の保有・売却

を一つの流れとして整理します。

収益物件が一棟だけの場合と、複数のマンション・ビル・土地を保有している場合とでも、取るべき対応は異なります。

家賃清算をめぐる対立が既に始まっている場合や、今後の不動産管理まで含めて整理する必要がある場合には、事情をお聞かせください。

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